本书は、わが国における伝统的な仏教学の基础知识を得させるとともに、并せて汉文体の仏教文献に亲しませる意图の下に、学生用の教科书として编篡したものである。

本文の校订にあたつては、龙谷大学出版部より昭和七年に刊行した『讲本八宗纲要钞』(华光院円解が校订しに文政十年刊本を王とし异本を校订したもの)があるので、これを、底本として再び异本を校合し、不适当と思われるものは改めた。よつて书名は既刊本と同样に『讲本八宗纲要钞』と名づけた。

句読点.训点については战後、中学.高校において、汉文が必修科目から外された结果,汉文の読解力が一般に着しく低下している现状に监み、初学の者にも出来るかぎり読みやすいようにと细心の考虑をはらい、返り点、送り仮名を附した。なお独特の読みかたをすべき字句には、平仮名をもつて読み仮名をも附した。

章节の分科は、ほぼ既刊本のそれを踏袭したが、その名目について不适当と思われるものは多少これを改めた。なお上栏には本文に出てくる主要项目が一见してわかるようにこれを列ね、而も活字の大小によつてこれを示して图表に代えることとした。

下栏の注には、地名.人名等で梵语の音表である场合は原语を示し、中国や日本の人名で出世年代の明らかなものには西历年号を记し、また文中に引用せる经论釈の出拠の明确なものて、大正大藏经に存するものはその卷数并びに页数を挙げた。